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November 12, 1998 Vol. 339 No. 20

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ジドブジンの短縮療法とヒト免疫不全ウイルスの周産期伝播
ABBREVIATED REGIMENS OF ZIDOVUDINE PROPHYLAXIS AND PERINATAL TRANSMISSION OF THE HUMAN IMMUNODEFICIENCY VIRUS

N.A. WADE AND OTHERS

背景

小児 AIDS 臨床試験グループプロトコル 076(The Pediatric AIDS Clinical Trials Group Protocol 076)は,ジドブジンを分娩前,分娩時,新生児の 3 回投与するレジメンにより,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の周産期伝播率が 25.5%から 8.3%に減少したと報告した.ジドブジンの短縮レジメンが周産期 HIV 伝播に及ぼす影響を,ニューヨーク州保健局の HIV ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査サービスのデータを用いて調べた.推奨レジメンではなく短縮レジメンを受けた妊娠女性は,出生前ケアが限定されていたため,あるいはみずからの選択でそうしていた.

方 法

PCR 検査サービスで使用された申込書には,乳児の人口統計学的特徴,ジドブジンによる周産期治療の時期が含まれた.また,全コホートの結果を確認する手段として,幼児 454 人のサブグループで,カルテを再検討して収集したジドブジン予防投与の時期に関するデータを分析した.

結 果

1995 年 8 月 1 日~1997 年 1 月 31 日に,HIV に曝露された生後 180 日以内の乳児 939 人の標本が PCR 検査に提出された.周産期 HIV 伝播率は,ジドブジン予防投与が開始された時期に応じて変化した.出生前に開始された場合 HIV 伝播率は 6.1%(95%信頼区間 4.1~8.9%),分娩時に開始された場合は 10.0%(3.3~21.8%),生後 48 時間以内に開始された場合は 9.3%(4.1~17.5%),生後 3 日目以降に開された場合は 18.4%(7.7~34.3%)であった.ジドブジン予防投与が行われなかった場合,HIV 伝播率は 26.6%(21.1~32.7%)であった.

結 論

これらの結果はジドブジン予防投与の有効性を確認するものであり,分娩時または生後 48 時間以内に開始する短縮レジメンを用いた場合でも,周産期の HIV 伝播率が減少することを示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1409 - 14. )