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December 10, 1998 Vol. 339 No. 24

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頭蓋内の未破裂動脈瘤 ― 破裂のリスクと外科的介入のリスク
UNRUPTURED INTRACRANIAL ANEURYSMS — RISK OF RUPTURE AND RISKS OF SURGICAL INTERVENTION

THE INTERNATIONAL STUDY OF UNRUPTURED INTRACRANIAL ANEURYSMS INVESTIGATORS

背景

頭蓋内未破裂動脈瘤の管理には,病変の自然経過と,修復する場合のリスクに関する知識が必要である.

方 法

後ろ向きパートと前向きパートから成る試験に,米国,カナダ,欧州の 53 の参加施設の患者 2,621 例が組み入れられた.後ろ向きパートでは,1,449 例の頭蓋内未破裂動脈瘤 1,937 個の自然経過を評価した;このうち,727 例には異なる動脈瘤からのくも膜下出血の既往はなく(グループ 1),722 例には異なる動脈瘤からのくも膜下出血の既往があり,その動脈瘤の修復は成功していた(グループ 2).前向きパートでは,新たに頭蓋内未破裂動脈瘤と診断された 1,172 例において,治療に関連する合併症と死亡を評価した.

結 果

グループ 1 では,診断時の直径 10 mm 未満の動脈瘤の累積破裂率は年 0.05%未満であったが,グループ 2 では約 11 倍であった(年 0.5%).直径 10 mm 以上の動脈瘤の破裂率は両グループともに年 1%未満であったが,グループ 1 では巨大な動脈瘤(直径≧25 mm)の破裂率は 1 年目で 6%であった.動脈瘤の大きさおよび位置は破裂の独立予測因子であった.手術に関連する合併症および死亡の全発生率は,30 日目ではグループ 1 で 17.5%,グループ 2 で 13.6%,1 年ではそれぞれ 15.7%および 13.1%であった.年齢は独立して手術転帰を予測した.

結 論

直径 10 mm 未満の頭蓋内未破裂動脈瘤の破裂の可能性は,グループ 1 の患者ではきわめて低く,グループ 2 の患者ではかなり高かった.手術に関連する合併症および死亡のリスクは,直径 10 mm 未満の頭蓋内未破裂動脈瘤を有するグループ 1 の患者の 7.5 年の破裂リスクを大きく超えていた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1725 - 33. )