December 17, 1998 Vol. 339 No. 25
妊娠第一トリメスターでの発育と低出生体重のリスク
FIRST-TRIMESTER GROWTH AND THE RISK OF LOW BIRTH WEIGHT
G.C.S. SMITH, M.F.S. SMITH, M.B. MCNAY, AND J.E.E. FLEMING
これまでの試験で,妊娠第一トリメスターでの胎児(胚)の大きさと出生体重との相関性が証明されている.しかしながら,低出生体重が妊娠第一トリメスターでの成長に関連しているかどうかはわかっていない.低出生体重と妊娠期間に低体重であった場合の出生体重のリスクが,妊娠第一トリメスターでの胚あるいは胎児の大きさに関連があるかどうかを確定する試みを行った.
30,000 件を超える妊娠の超音波検査の記録が入力されているデータベースから,重大な医学的な問題がなく,月経歴が正常で,胚または胎児の頭殿長を測定した妊娠第一トリメスターでの超音波スキャンがある女性を選出した.4,229 件の妊娠の転帰と妊娠第一トリメスターでの頭殿長の測定値と予測値の差との関係を調べた.この差は,胚または胎児の発育に対応する日数として表した.
妊娠第一トリメスターまでの頭殿長が予測値よりも 2~6 日分小さかったこと(正常な頭殿長あるいは予測値よりもわずかに大きな頭殿長との比較において)が,出生体重が 2,500 g 未満(相対リスク,1.8;95%信頼区間,1.3~2.4),満期産で,その出生体重が 2.500 g 未満(相対リスク,2.3;95%信頼区間,1.4~3.8),出生体重が妊娠期間に対する出生体重の分布の 5 パーセンタイル未満(相対リスク,3.0;95%信頼区間,2.0~4.4),および妊娠 24~32 週目の分娩(相対リスク,2.1;95%信頼区間,1.1~4.0)というリスクの増加に結びついていたが,妊娠 33~36 週目の分娩ではリスクの増加は認められなかった(相対リスク,1.0;95%信頼区間,0.7~1.5).
妊娠第一トリメスターでの発育が最適なものでなければ,低出生体重,低出生体重パーセンタイル,および早産に結びつく可能性があるかもしれない.