限局性中等度および高度非ホジキンリンパ腫に対する化学療法単独と化学療法+放射線療法の比較
CHEMOTHERAPY ALONE COMPARED WITH CHEMOTHERAPY PLUS RADIOTHERAPY FOR LOCALIZED INTERMEDIATE- AND HIGH-GRADE NON-HODGKIN'S LYMPHOMA
T.P. MILLER AND OTHERS
臨床的に局在した中等度または高度非ホジキンリンパ腫患者には通常,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,およびプレドニゾン(CHOP)のようなドキソルビシンを含む併用療法による初回治療を行う.予備試験は,そのような患者に CHOP 単独 8 サイクルまたは CHOP 3 サイクル後に罹患部位放射線療法を行えば,有効であることを示唆している.
プロスペクティブ無作為多施設試験においてこれらの二つのアプローチを比較した.エンドポイントは非進行率,総生存率およびまたは生命を脅かすようなレベルあるいは致命的な毒性効果であった.適格患者 200 人を無作為割付けして CHOP+放射線療法を行い,201 人に CHOP 単独を行った.
CHOP 3 サイクル+放射線療法で治療した患者は,CHOP 単独で治療した患者より,非進行率(p = 0.03)および総生存率(p = 0.02)が有意に良好であった.CHOP+放射線療法群の患者および CHOP 単独群の患者に関する非進行率の 5 年推計値はそれぞれ,77%および 64%であった.CHOP+放射線療法群の患者および CHOP 単独群の患者に関する総生存率の 5 年推計値はそれぞれ,82%および 72%であった.副作用は各治療群において死亡 1 例が含まれた.どのようなタイプであれ生命を脅かす毒性作用は,CHOP+放射線療法で治療した患者では 200 人中 61 人そして CHOP 単独で治療した患者では 201 人中 80 人(p = 0.06)に認められた.左心室機能は CHOP 単独治療群の患者 7 人では減少したが,CHOP+放射線療法群の患者では心イベントは記録されなかった(p = 0.02).
CHOP 3 サイクル後に罹患野部位放射線療法を行うことは,限局性中等度および高度非ホジキンリンパ腫の治療において CHOP 単独の 8 サイクルより優れている.