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August 27, 1998 Vol. 339 No. 9

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体外受精後の 2 個の胎芽の移入による多胎出産のリスクの低下
REDUCING THE RISK OF MULTIPLE BIRTHS BY TRANSFER OF TWO EMBRYOS AFTER IN VITRO FERTILIZATION

A. TEMPLETON AND J.K. MORRIS

背景

体外受精は多胎出産の高リスクに関連するが,これは移入した胎芽数の直接的な結果である.しかし,リスクに影響を与えるその他の要因はあまり明確にされていない.

方 法

イギリスのヒト受精胎児局(the Human Fertilisation and Embryology Authority in the United Kingdom)によって確立されたデータベースを用いて,われわれは,女性 25,240 人の 44,236 サイクルにおける多胎出産のリスクの増加に関連する要因を調べた.この要因には,女性の年齢,不妊原因および期間,これまでの体外授精の試み,これまでの生存出産,受精卵の数,および移入した胎芽数が含まれた.

結 果

高齢,卵管不育,長い不妊期間,そしてこれまでの体外受精の試行回数が多いことはすべて,単胎出産および多胎出産の可能性の有意な低下に関連した.これまでの生存出産は出産の可能性の増加に関連したが,多胎出産の機会には関連しなかった.受精卵の数が増加するにつれて,生存出産の可能性は高くなる.4 個以上の卵子が受精した場合,2 個を移入した女性と比較して,3 個の胎芽を移入した女性の出生率は増加しなかったが,3 個を移入した場合では多胎出産率がかなり増加した(オッズ比,1.6; 95%信頼区間,1.5 ~ 1.8).

結 論

おそらく移入のための胎芽の選択がより大きくなるために,体外受精を受ける女性では,生存出産の可能性は,受精卵の数に相関する.卵子 4 個以上が受精して移入に利用できる場合,胎芽 2 個だけを移入する場合でも女性の受胎の可能性は低下しない.より多くの胎芽を移入すると,多胎出産のリスクが増加する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 573 - 7. )