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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 26, 2009
Vol. 360 No. 13

ORIGINAL ARTICLE

  • 重症患者における強化血糖コントロールと標準血糖コントロールの比較
    Intensive vs. Conventional Glucose Control in Critically Ill Patients

    この研究では,ICU での治療が 3 日間以上必要と予想される成人患者を,強化血糖コントロールを受ける群(目標値 81~108 mg/dL [4.5~6.0 mmol/L])と,標準血糖コントロールを受ける群(目標値 180 mg/dL [10.0 mmol/L] 以下)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,無作為化後 90 日以内のあらゆる原因による死亡とした.強化血糖コントロールにより,患者の死亡率は上昇した.

  • HSV-2 感染,HPV 感染,梅毒を予防するための包皮環状切除
    Circumcision to Prevent HSV-2 and HPV Infections and Syphilis

    包皮環状切除により,男性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染率が低下することが示されている.ウガンダで,HIV と単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)について血清陰性である 3,393 例の青年男性と成人男性を対象に行われた 2 件の試験では,包皮環状切除により,HSV-2 感染率と高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)感染率は低下したが,梅毒の発症率は低下しなかった.

  • 前立腺癌スクリーニング後の死亡率に関する無作為化試験の結果
    Mortality Results from a Randomized Prostate-Cancer Screening Trial

    約 77,000 人の男性を対象としたこの研究では,前立腺特異抗原(PSA)検査と直腸診によるスクリーニングの前立腺癌死亡率に対する効果を,通常の健康管理と比較して分析した.7 年間の追跡後,両群間で前立腺癌死亡率に有意差はみられなかった.追跡 10 年の時点でのデータ(67%が完了)においても,前立腺癌死亡率に有意差は認められなかった.

  • 欧州における前立腺癌のスクリーニングと死亡率に関する無作為化試験
    Screening and Prostate-Cancer Mortality in a Randomized European Study

    この試験では,欧州 7 ヵ国の 55~69 歳の男性 162,000 人超を対象として,前立腺特異抗原(PSA)検査の前立腺癌死亡率に対する効果を検討した.追跡期間中央値 9 年後,前立腺癌死亡率に有意な低下が認められた.しかし,スクリーニングプログラムには,過剰診断と過剰治療という大きな難点がある.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 慢性閉塞性肺疾患を管理するための呼吸リハビリテーション
    Pulmonary Rehabilitation for Management of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の 61 歳の黒人女性が,呼吸リハビリテーションプログラムに登録するために紹介されてきている.呼吸リハビリテーションには,筋機能を改善し,動的肺過膨張を軽減させるための強度の運動が含まれ,患者と医療提供者が共同で行う自己管理法を促進する教育も行われる.不安定狭心症患者や心筋梗塞を発症して間もない患者は,呼吸リハビリテーションには向かないかもしれない.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • パパニコロー検査で異常を示す女性
    A Woman with an Abnormal Papanicolaou Smear

    23 歳の女性が,経口避妊法,性感染症のスクリーニング,およびヒトパピローマウイルスワクチンの接種に関する治療方針を決定し,カウンセリングを受けるために,当院の青年・若年成人クリニックを訪れた.パパニコロー塗末標本の病理学検査により,上皮内高度扁平上皮異型が明らかになった.さらなる診断検査が行われ,治療決定がなされた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 母体が胎児免疫に及ぼす影響
    Maternal Influence on Fetal Immunity

    胎児の血液と組織中における母体のマイクロキメリズムは,おそらくは胎児リンパ節中での調節性 T 細胞の誘導により生じるものと考えられるが,免疫抑制に重要な役割をもち,また自己免疫の解明に重要な意味をもつ.