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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 21, 2009
Vol. 360 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • 急性冠症候群に対する早期侵襲的介入と待機的侵襲的介入の比較
    Early versus Delayed Invasive Intervention in Acute Coronary Syndromes

    急性冠症候群患者を対象に,早期侵襲的介入(中央値 14 時間で冠動脈造影を施行)と待機的侵襲的介入(中央値 50 時間で冠動脈造影を施行)を比較した.両群全体では転帰に差はみられなかったが,高リスク患者の場合,早期介入で転帰がより改善し,とくに治療抵抗性虚血のリスクが低下した.

  • 急性冠症候群に対する早期の血小板糖蛋白 IIb/IIIa 阻害療法
    Early Glycoprotein llb/llla Inhibition in Acute Coronary Syndromes

    血小板糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬は,急性冠症候群で侵襲的治療を受ける患者に対してルーチンで使用されるが,投与の至適時期は明らかにされていない.エプチフィバチドの早期のルーチン投与は,待機的・条件下使用と比べて有効性に差がないことが示されたうえ,出血の増加との関連が認められた.

  • 血液透析グラフトの開存に対するジピリダモールとアスピリンの併用療法
    Dipyridamole plus Aspirin for Hemodialysis Graft Patency

    この無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,新たな動静脈グラフトの留置後に徐放性ジピリダモールとアスピリンを 1 日 2 回投与した.主要転帰は無補助一次開存の消失とし,副次的転帰は累積グラフト不全,死亡などとした.実薬治療により,新たに作製されたグラフトの狭窄リスクの減少と無補助一次開存期間の改善に有意な効果が認められたが,臨床的には軽微な効果であった.

SPECIAL ARTICLE

  • レジデントの労働時間と業務量の削減が社会的費用に及ぼす影響
    Cost Implications of Reduced Work Hours and Workloads for Resident Physicians

    米国医学研究所(IOM)は最近,レジデントの労働時間と業務量を削減するための新たな勧告を発表した.この経済的分析から,勧告の実施費用は高額(年間人件費 16 億ドル)となることが示唆されたが,患者への危害を減少させる効果が高ければ,費用対効果が高いと考えられる.

  • エチレングリコール中毒とメタノール中毒に対するホメピゾール
    Fomepizole for Ethylene Glycol and Methanol Poisoning

    35 歳の男性が,自動車の不凍液を飲んで救急部に搬送された.男性の血液 pH は 7.30 で,尿検査でシュウ酸カルシウムの結晶が認められた.この所見はエチレングリコール中毒と一致している.ホメピゾールによる治療が推奨されている.ホメピゾールは,エチレングリコールとメタノールの毒性代謝物の生成を阻止するアルコール脱水素酵素競合拮抗薬である.

  • CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

    • 超音波検査で胎児に異常が認められた妊娠女性
      A Pregnant Woman with an Abnormal Fetal Ultrasound Study

      32 歳の妊娠女性が,超音波検査で胎児に異常が認められたため,妊娠 23.1 週で入院した.入院の 19 日前に行われた超音波検査で,胎児に頸襞の肥厚,両側頸部嚢胞性ヒグローマ,心膜滲出液と胸水が認められた.心エコーで,胎児の心臓の解剖学的構造と機能は正常であることが明らかになった.感染症の検査は陰性であった.中絶を行い,胎児の剖検が実施された.

    CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

    • ライノウイルスの塩基配列決定法に答えを探る
      Mining Rhinovirus Sequencing

      99 のライノウイルス血清型のゲノム配列の比較解析により,臨床研究に深く関わる特徴が明らかにされた.