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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 11, 2009
Vol. 360 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 2 型糖尿病と冠動脈疾患に対する治療
    Treatment for Type 2 Diabetes and Coronary Artery Disease

    2 型糖尿病と安定虚血性心疾患を合併した患者を対象としたこの試験では,経皮的冠動脈インターベンションと冠動脈バイパス術のどちらが適しているかによって患者を層別化し,早期に行う血行再建術と薬物療法,インスリン抵抗性改善薬療法とインスリン療法を比較した.血行再建術を施行しても,全体のあらゆる原因による死亡率,主要心血管イベント発生率に有意な低下はみられなかった.インスリン抵抗性改善薬療法とインスリン療法についても,心血管系転帰は同等であった.

  • 前立腺癌治療におけるアンドロゲン抑制療法の期間
    Duration of Androgen Suppression in the Treatment of Prostate Cancer

    局所進行前立腺癌に対する現在の標準的治療法は,放射線外照射療法と 3 年間のアンドロゲン抑制療法の併用である.心筋梗塞などの有害事象は長期にわたるアンドロゲン抑制と関連している.この試験では,局所進行前立腺癌の患者に対し,放射線外照射療法に加えて長期(3 年)または短期(6 ヵ月)のアンドロゲン抑制療法を行い,生存率を検討した.短期抑制群の全生存率,前立腺癌特異的生存率は,いずれも長期抑制群に比べて劣っていた.

  • 妊娠第 1 期におけるメトクロプラミド投与の安全性
    Safety of Metoclopramide Use in the First Trimester of Pregnancy

    この大規模コホート研究により,妊娠期のメトクロプラミド投与と,先天性奇形などの胎児における有害転帰リスクとのあいだには,有意な関連がないことが示された.これらの結果は,妊娠中の悪心・嘔吐の治療に用いるメトクロプラミドの安全性にさらなる保証を与えるものである.

  • ヤップ島におけるジカウイルス疾患の集団発生
    Zika Virus Outbreak on Yap Island

    ジカウイルスは,アジアとアフリカでヒト感染を起こすことが知られているフラビウイルスの 1 つである.この論文は,ミクロネシア連邦ヤップ島におけるジカウイルス疾患の集団発生について報告している.主症状は発疹,発熱,関節痛,結膜炎であった.4 ヵ月間の集団発生期間中に,ヤップ島の 3 歳以上の島民の 73%が感染したと推定された.

  • 原発性胆汁性肝硬変と HLAIL12AIL12RB2 の変異との関連性
    Primary Biliary Cirrhosis Associated with HLA, IL12A, and IL12RB2 Variants

    原発性胆汁性肝硬変患者のゲノムワイド関連解析から,インターロイキン-12 シグナル伝達の変化が疾患リスクを付与する可能性が示唆された.また,この研究は,HLA 遺伝子座における変異が危険因子である可能性を強く示唆している.

CLINICAL PRACTICE

  • 出生前の異数性スクリーニング
    Prenatal Screening for Aneuploidy

    37 歳の女性(初回妊娠)が,妊娠 8 週で出生前ケアを求めている.患者の家族歴と病歴にとくに問題はなかった.ダウン症候群などの胎児染色体異常リスクや,出生前スクリーニングと診断の選択肢に関して,どのようなアドバイスをすればよいであろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 「死の接吻」
    Kiss of Death

    23 歳の南アフリカ出身の男性が,発熱,軽度の呼吸困難,頭痛,悪心,筋肉痛が 2 日間続いたため救急部を受診した.症状は,友人とコロラドにスキー旅行に出かけた 5 日後に現れた.