第 1 染色体開放隅角緑内障遺伝子(GLC1A)の変異に関連した臨床特徴
CLINICAL FEATURES ASSOCIATED WITH MUTATIONS IN THE CHROMOSOME 1 OPEN-ANGLE GLAUCOMA GENE (GLC1A)
W.L.M. ALWARD AND OTHERS
緑内障の症例のかなりの部分が遺伝的基礎を有する.緑内障を引き起す変異は第 1 染色体開放隅角緑内障遺伝子(GLC1A)に特定されており,これはミオシリンとして知られる 57-kd の蛋白をコードする.この蛋白の正常な役割およびその変異が緑内障を引き起すメカニズムはわかっていない.
原発性開放隅角緑内障患者 716 人および対照被験者 596 人の GLC1A 遺伝子の配列変化をスクリーニングした.
「疾患の原因である可能性の高い変異」の基準を満たす 16 の配列変異を同定した.基準は,予測アミノ酸配列が変化し,それが緑内障患者の 1 人以上に認められ,対照被験者では 1%未満というものであった.この 16 の変異は,患者 33 人に認められた(4.6%).変異の六つは,2 人以上に認められた(計 99 人).これら六つの変異に関連した臨床特徴は,診断時年齢 8~77 歳,最高眼圧 12~77 mmHg が含まれた.
GLC1A 遺伝子における多様な変異は緑内障に関連している.疾患のスペクトルは若年性緑内障から典型的な晩発型原発性開放隅角緑内障にまで及びうる.