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April 9, 1998 Vol. 338 No. 15

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フラッシュランプ・パルス色素レーザーによるポートワイン母斑治療のタイミングの効果
EFFECT OF THE TIMING OF TREATMENT OF PORT-WINE STAINS WITH THE FLASH-LAMP–PUMPED PULSED-DYE LASER

C.M.A.M. VAN DER HORST AND OTHERS

背景

ポートワイン母斑はフラッシュランプ・パルス色素レーザーによって治療することが可能であるが,皮膚がより薄く,病変がより小さい幼少期にこの治療を行うことがより有効であるか否かはわかっていない.

方 法

これまで無処置の頭部または頸部ポートワイン母斑患者 100 人をプロスペクティブに調べた.患者をフラッシュランプ・パルス色素レーザーで治療し,4 群(0~5 歳,6~11 歳,12~17 歳,18~31 歳)に分類した.転帰尺度は,病変全体を平均 5 回(範囲,3~7 回)治療したあと比色計により測定したポートワイン母斑の褪色であった(母斑のある皮膚と反対側の健康な皮膚との色の差の減少).

結 果

患者 100 人中,11 人は,治療回数が 3 回未満または 8 回以上であること,ベースラインでの比色測定に誤りがあったこと,または追跡不能のために,分析に含めることができな かった.ポートワイン母斑の大きさ,位置,および色は群間で同程度であった.患者 89 人全員をあわせて分析すると,ポートワイン母斑の皮膚と反対側の健康な皮膚との色の差の平均減少は 40%であった.色の差の平均減少の年齢群による差は有意でなかった(p=0.26).試験終了までに,レーザー治療を完了したのは 89 人中 7人にすぎず,いずれの症例においても完全なクリアランスを認めなかった.最後の 3 回の治療はさらなる褪色にはいたらなかったため,7 人全員について治療を中止した.

結 論

幼少期に行うフラッシュランプ・パルス色素レーザーによるポートワイン母斑の治療は,より成長してからの治療よりも有効であるという証拠を認めなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1028 - 33. )