The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 16, 1998 Vol. 338 No. 16

グロボイド細胞性ロイコジストロフィーにおける造血幹細胞移植
HEMATOPOIETIC STEM - CELL TRANSPLANTATION IN GLOBOID - CELL LEUKODYSTROPHY

W. KRIVIT AND OTHERS

背景

 グロボイド細胞性ロイコジストロフィーは,ガラクトセレブロシダーゼの欠損によって生じ,その結果進行性の中枢神経系衰退が起る.われわれは,同種異系造血幹細胞移植が白血球のガラクトセレブロシダーゼ源となることができるか,そしてそれによってこの疾患患者における中枢神経系機能の低下を予防できるか否かを調べた.

方 法

 グロボイド細胞性ロイコジストロフィーの子供 5 人 ( 1 人は乳児型,そして4 人は遅発型疾患) を同種異系造血幹細胞移植で治療した.白血球ガラクトセレブロシダーゼ量の測定,神経学的検査,神経心理学検査,中枢神経系の磁気共鳴画像,脳脊髄液蛋白アッセイ,そして神経生理学的測定を,移植の前後に実施して,患者を1 ~ 9 年間追跡した.

結 果

 ドナー由来の造血細胞の定着は患者全員に起り,その後正常白血球ガラクトセレブロシダーゼ量の回復が得られた.遅発型疾患の患者 4 人では,中枢神経系衰退が回復し,乳児発症型疾患患者では徴候および症状が現れなかった.移植の前後に評価した遅発型疾患患者 3 人の磁気共鳴画像は,シグナル強度の減少を示した.脳脊髄液の総蛋白量の異常は,遅発型疾患患者 3 人では修正され,乳児型患者では実質的に減少した.

結 論

 グロボイド細胞性ロイコジストロフィーの中枢神経系発現は,同種異系造血幹細胞移植によって改善できる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1119 - 26. )