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May 14, 1998 Vol. 338 No. 20

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勃起機能障害の治療におけるシルデナフィル経口投与
ORAL SILDENAFIL IN THE TREATMENT OF ERECTILE DYSFUNCTION

I. GOLDSTEIN AND OTHERS

背景

シルデナフィルは,海綿体における環状グアノシン一リン酸の強力な阻害薬で,したがって,性的刺激に対する陰茎の反応を増加させる.器質性,心因性,または混合した原因による勃起機能障害患者を対象とした二つの連続的二重盲検臨床試験において,シルデナフィルを必要に応じて投与して,有効性と安全性を評価した.

方 法

24 週間の用量反応試験において,患者 532 人をシルデナフィル(25 mg,50 mg,100 mg のいずれか)またはプラセボの経口投与によって治療した.12 週間の,可変的用量増加試験では,別の患者 329 人をシルデナフィルまたはプラセボで治療し,有効性と耐性に基づいて用量を 100 mg まで増加させた.この用量増加試験のあと,患者 329 人中 225 人が,32 週間のオープンラベル拡大試験に参加した.われわれは,国際勃起機能指数,患者の日誌,および総合評価質問書に従って有効性を評価した.

結 果

用量反応試験では,シルデナフィルの用量の増加により勃起機能は改善した(勃起の達成および維持に関する質問のスコアの増加に関する p 値は<0.001 であった).シルデナフィル 100 mg 投与群の患者では,勃起の達成に関する質問の平均スコアは,治療後ではベースラインより 100%高かった(最高スコア 5 のうち 4.0 対 2.0).用量増加試験の最後の 4 週間の治療では,シルデナフィル群の患者ではすべての性交の試みのうち 69%が成功したのに対し,プラセボ群では 22%であった(p<0.001).1 ヵ月当りの試みの成功平均数は,シルデナフィル群の患者では 5.9 回,そしてプラセボ群の患者では 1.5 回であった(p<0.001).用量増加試験では,頭痛,潮紅,消化不良の副作用の頻度が高く,患者の 6~18%に起った.患者の 92%が 32 週間の拡大試験を完了した.

結 論

シルデナフィルの経口投与は,勃起機能障害の男性に対して有効な,忍容性の良好な治療である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1397 - 404. )