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May 14, 1998 Vol. 338 No. 20

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小児における低温適応三価インフルエンザウイルス弱毒生ワクチン鼻腔内接種の有効性
THE EFFICACY OF LIVE ATTENUATED, COLD-ADAPTED, TRIVALENT, INTRANASAL INFLUENZAVIRUS VACCINE IN CHILDREN

R.B. BELSHE AND OTHERS

背景

健康な小児におけるインフルエンザの発生率が高いにもかかわらず,インフルエンザウイルスワクチンがこの集団に用いられることはあまりない.生後 15~71 ヵ月の小児に対する,低温適応三価インフルエンザウイルス弱毒生ワクチンに関する多施設二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した.

方 法

288 人を,鼻腔内スプレーでワクチンを 1 回投与する群とプラセボを投与する群に割り付け,1,314 人を,約 60 日の間隔をあけて 2 回投与する群に割り付けた.ワクチンに含まれる株は,その時用いられている不活化インフルエンザワクチンの株と同等の抗原性であった.その後のインフルエンザシーズンのあいだ,被験者のインフルエンザのウイルス培養をモニターした.インフルエンザ症例は,呼吸器分泌物からの野生型インフルエンザウイルスの単離に関連した疾患として定義した.

結 果

鼻腔内ワクチンは小児に受け入れられ,忍容性は良好であった.初回血清検査で陰性であった小児のうち,抗体価が 4 倍となった割合は,インフルエンザ株の種類により 61~96%であった.培養でインフルエンザ陽性となる頻度は,ワクチン群(1,070 人中 14 例)のほうがプラセボ群(532 人中 95 例)よりも有意に低かった.ワクチンの有効性は,培養により確認したインフルエンザに対して 93%(95%信頼区間,88~96%)であった.1 回レジメン(有効性 89%),2 回レジメン(有効性 94%)のいずれも有効で,ワクチンは 1996~97 年に流行したインフルエンザの 2 つの株,A(H3N2) および B 型のいずれに対しても有効であった.ワクチンを接種した小児では,プラセボを接種した小児に比べて発熱性疾患が有意に少なく,発熱性中耳炎の発生率は 30%(95%信頼区間,18~45%)低かった(p<0.001).

結 論

低温適応インフルエンザウイルス弱毒生ワクチンは,健康な小児において安全であり,免疫を誘導し,インフルエンザ A(H3N2) およびインフルエンザ B 型に有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1405 - 12. )