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February 19, 1998 Vol. 338 No. 8

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60 歳未満の閉経後女性における骨量減少のアレンドロネートによる予防
PREVENTION OF BONE LOSS WITH ALENDRONATE IN POSTMENOPAUSAL WOMEN UNDER 60 YEARS OF AGE

D. HOSKING AND OTHERS

背景

エストロゲン補充療法は,骨吸収を阻害することによって閉経後女性における骨粗鬆症を予防するが,その長期リスクと利益とのバランスはなお不明である.他の抗吸収療法がこれらの女性の骨粗鬆症を予防できるか否かについても明確でない.

方 法

われわれは,年齢 60 歳未満の閉経後女性 1,174 人の骨塩量に及ぼすアレンドロネートの 2.5 mg/日または 5 mg/日もしくはプラセボの効果を調べた.さらに,エストロゲンとプロゲスチンの併用投与を予定していた別の女性 435 人を無作為割付けして,上記治療の一つまたは実際のエストロゲン–プロゲスチン投与を行った.主な転帰測定値は,二重エネルギー X 線吸収測定法によって 2 年間毎年測定した腰椎,股関節,遠位前腕,および全身の骨塩量の変化であった.

結 果

プラセボ投与群の女性は,すべての測定部位の骨塩量が失われたが,アレンドロネート 5 mg の毎日投与で治療した女性は,腰椎での骨塩量が平均(±SE)で 3.5±0.2%,股関節では 1.9±0.1%,そして全身では 0.7±0.1%増加した(すべて p<0.001).アレンドロネート毎日 2.5 mg 治療群の女性では骨塩量の増加はこれより小さかった.アレンドロネートは前腕の骨塩量を増加させなかったが,その減少を遅らせた.エストロゲン–プロゲスチンに対する反応は,アレンドロネートの 5 mg 用量に対する反応より 1~2%ポイント大きかった.アレンドロネートの耐用性は良好で,安全性プロファイルはプラセボまたはエストロゲン–プロゲスチンと同様であった.

結 論

アレンドロネートは,エストロゲン–プロゲスチンとほぼ同程度に 60 歳未満の閉経後女性の骨量減少を予防する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 485 - 92. )