February 19, 1998 Vol. 338 No. 8
子供のための健康保険とプライマリケアへのアクセス
HEALTH INSURANCE AND ACCESS TO PRIMARY CARE FOR CHILDREN
P.W. NEWACHECK, J.J. STODDARD, D.C. HUGHES, AND M. PEARL
保険状況は子供が受ける外来診療の量に影響を及ぼすことは,数多くの試験が証明してきたが,子供のプライマリケアへのアクセスの決定因子として保険の役割を評価した試験はほとんどない.われわれは,子供のプライマリケアへのアクセスに及ぼす健康保険の効果を調査した.
全国的な世帯調査である 1993~1994 年の全米健康インタビュー調査から,18 歳未満の子供 49,367 人のサンプルを分析した.総回答率は 86.5%であった.調査には,保険適用に関する質問とプライマリケアへのアクセスが含まれた.
米国の子供の推定 13%が 1993~94 年のあいだで健康保険に加入していなかった.保険に加入していない子供は加入している子供より,一般診療手段を有する割合が低かった(75.9% 対 96.2%,p<0.001).一般診療手段を有する子供では,保険に加入していない子供は,加入している子供よりかかりつけの医師がいない割合が多く(24.3% 対 13.8%,p<0.001),通常の診療時間以降では診療を受けないことが多く(11.8% 対 7.0%,p<0.001),そして家族が診療の少なくとも一つの面に不満である(19.6% 対 14.0%,p=0.01)割合が多かった.保険に加入していない子供は加入している子供より,必要な医療,歯科医療,またはその他のヘルスケアをなしで済ませることが多かった(22.2% 対 6.1%,p<0.001).保険に加入していない子供はまた,前年度中医師の診療を受けた頻度が加入している子供より少なかった(67.4% 対 83.8%,p<0.001).線型およびロジスティック回帰を用いて可能性のある交絡因子で調整後も,すべての差が有意であった.
子供では,健康保険への加入はプライマリケアへのアクセスに強く関連する.1997 年度均衡予算条例の一部として制定された新しい子供の健康保険プログラムは,子供によるプライマリケアへのアクセスおよび利用を実質的に改善する可能性がある.