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March 12, 1998 Vol. 338 No. 11

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ヘルスケア従事者のペット犬の菌増殖に関連する新生児集中治療室におけるマラセジア強皮症の流行
AN EPIDEMIC OF MALASSEZIA PACHYDERMATIS IN AN INTENSIVE CARE NURSERY ASSOCIATED WITH COLONIZATION OF HEALTH CARE WORKERS' PET DOGS

H.J. CHANG AND OTHERS

背景

 マラセジア種は脂肪親和性酵母で,とくに脂質乳剤を投与されている低体重新生児における院内病原菌として現れる.マラセジア強皮症感染患者の集団発生が新生児集中治療室で確認されたため,われわれは調査を開始した.

方 法

 症例患者は,1993 年 10 月 17 日~ 1995 年 1 月 18 日のあいだにマラセジア強皮症の培養陽性であった新生児集中治療室の乳児と定義した.コホート試験を実施して,強皮症マラセジア菌の増殖および感染の危険因子を特定した.この菌は犬の外耳炎に関連しているため,乳児とヘルスケア従事者,そしてヘルスケア従事者のペットからの培養を収集した.

結 果

 乳児 15 人が症例定義を満たした: 8 人は菌血症で,2 人は尿路感染症,1 人は髄膜炎,そして 4 人は,無症候性増殖であった.症例患者は体重が 1,300 g 以下であることが他の乳児より有意に多かった ( 65 人中 15 人対 419 人中 0 人,p < 0.001 ).体重 1,300 g 以下の乳児の多変量解析において,強皮症マラセジア菌の増殖または感染の独立危険因子は,併発疾患がより重症であること (オッズ比,19.7; p = 0.001 ),9 日以上の動脈カテーテル挿入 (オッズ比,29.5; p = 0.02 ),そして看護婦 A との接触 (オッズ比,74.7; p = 0.01 ) であった.点有病率調査では,さらに乳児 9 人,ヘルスケア従事者 1 人,そしてヘルスケア従事者のペット犬の 12 匹が強皮症マラセジア菌培養陽性であった.症例患者 15 人全員,別の菌増殖乳児 9 人,ヘルスケア従事者 1人,そしてイヌ 12 匹中 3 匹からの単離菌は,制限断片長多形性のパターンが同一であった.

結 論

 この大流行において,強皮症マラセジア菌は自宅でペット犬から感染後,ヘルスケア従事者の手を通じて新生児集中治療室に侵入した可能性が高い.菌は患者間伝播を通じて新生児室で生き残った.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 706 - 11. )