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January 8, 1998 Vol. 338 No. 2

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凝固第 VII 因子遺伝子の多形性と心筋梗塞のリスク
POLYMORPHISMS IN THE COAGULATION FACTOR VII GENE AND THE RISK OF MYOCARDIAL INFARCTION

L. IACOVIELLO AND OTHERS

背景

 凝固第 VII 因子の高い血中濃度は虚血性血管疾患のリスクに関連する.第 VII 因子の濃度は遺伝的に決定される可能性があるが,第 VII 因子の遺伝的多形性,第 VII 因子血中濃度と心筋梗塞のリスクとの関連は確立されていない.

方 法

 家族性心筋梗塞患者 (平均[± SD ]年齢,55 ± 9 歳) 165 人,および本人または家族に心血管疾患の既往がない対照者 (平均年齢,56 ± 8 歳) 225 人について,ケース・コントロール試験を実施した.第 VII 因子遺伝子の R353Q および高度可変領域 4 が関与する多形性を調べた.第 VII 因子凝固活性および抗原濃度についても測定した.

結 果

 QQ または H7H7 遺伝子型の患者は,心筋梗塞のリスクが減少していた (オッズ比はそれぞれ,0.08 [ 95%信頼区間,0.01 ~ 0.9 ]および 0.22 [ 95%信頼区間,0.08 ~ 0.63 ]).R353Q 多形性に関して,RR 遺伝子型は危険度がもっとも高く,RQ 遺伝子型がこれに続き,QQ 遺伝子型がそのあとに続いた ( p < 0.001 ).高度可変領域 4 が関与する多形性に関して,H7H5 と H6H5 遺伝子型が共存すれば危険度がもっとも高く,H6H6,H6H7,および H7H7 遺伝子型の順にリスクは低下した ( p < 0.001 ).QQ または H7H7 遺伝子型の患者では,第 VII 因子抗原および第 VII 因子凝固活性が共に,RR または H6H6 遺伝子型より低レベルであった.第 VII 因子凝固活性がもっとも低い患者は,もっとも高い患者より心筋梗塞のリスクが低かった (オッズ比,0.13; 95%信頼区間,0.05 ~ 0.34 ).

結 論

 われわれの知見は,第 VII 因子遺伝子の特定の多形性が心筋梗塞のリスクに影響を及ぼす可能性があることを示唆している.この作用は第 VII 因子濃度の変化によって媒介される可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 79 - 85. )