慢性骨髄性白血病患者に対する非血縁ドナーからの骨髄移植
BONE MARROW TRANSPLANTS FROM UNRELATED DONORS FOR PATIENTS WITH CHRONIC MYELOID LEUKEMIA
J.A. HANSEN AND OTHERS
慢性骨髄性白血病は,HLA が同一の兄弟ドナーからの骨髄移植によって治癒することができる.HLA 同一兄弟のいない患者の 70%では,非血縁ドナーからの移植の利用は一つの選択肢であるが,そのような移植に関連する罹患率と死亡率がためらいの原因であった.われわれは,慢性骨髄性白血病の治療としての非血縁ドナーからの移植の安全性と有効性を分析し,好ましい転帰を予測する変数を特定した.
1985 年 5 月~1994 年 12 月のあいだに,慢性期にあるフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病患者 196 人が,非血縁ドナーからの骨髄移植を受けた.
追跡期間の中央値は 5 年であった(範囲,1.2~10.1 年).移植失敗は評価可能な患者の 5%に起った.グレード III または IV の急性移植対宿主拒絶反応(GVHD)は,HLA マッチ移植を受けた患者の 35%に認められ,5 年推定累積再発率は 10%で あった.5 年生存 Kaplan–Meier 推計値は,57%であった.生存は,診断から移植までの間隔が 1 年以上,HLA-DRB1 ミスマッチ,高い体重指標,そして年齢 50 歳以上により悪影響を受けた.生存は,フルコナゾールとガンシクロビルの予防的投与によって改善した.診断から 1 年以内に HLA マッチドナーから移植を受けた 50 歳以下の患者では,5 年生存 Kaplan–Meier 推計値は 74%であった(95%信頼区間,62~86%).
HLA マッチ非血縁ドナーからの骨髄移植は,一定の条件を満たした慢性骨髄性白血病患者にとって安全かつ有効な療法である.