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October 29, 1998 Vol. 339 No. 18

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3 剤併用療法後の血漿中 HIV RNA が検出不可能な HIV 感染者における抗レトロウイルス維持療法
MAINTENANCE ANTIRETROVIRAL THERAPIES IN HIV-INFECTED SUBJECTS WITH UNDETECTABLE PLASMA HIV RNA AFTER TRIPLE-DRUG THERAPY

D.V. HAVLIR AND OTHERS

背景

インジナビル,ジドブジン,ラミブジンによる併用抗レトロウイルス療法は,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)RNA の血漿濃度を 2 年以上検出限界以下に抑制することができる.併用療法に対する初回反応後,治療強度を下げた維持療法でウイルス抑制を維持できるか否かを調べた.

方 法

試験組入れ時の CD4 細胞数が 200/mm3 超で,インジナビル,ラミブジン,ジドブジンによる導入療法を受け,導入療法開始後 16 週,20 週,24 週の時点で HIV RNA の血漿濃度が 200 コピー/mL 未満であった HIV 感染患者を,3 剤併用を継続する群(106 例),インジナビルのみを投与する群(103 例),ジドブジンとラミブジンを投与する群(107 例)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントはウイルス抑制の消失とし,維持療法中に HIV RNA の血漿濃度が 2 回連続して 200 コピー/mL 以上であることと定義した.

結 果

維持療法中にウイルス抑制が消失したのは,インジナビルのみを投与した被験者では 23%,ジドブジンとラミブジンを投与した被験者では 23%であったが,3 剤すべてを投与した被験者ではわずか 4%であった(3 剤療法と他の二つの維持療法との比較に関して,p<0.001).導入療法中の CD4 細胞数の増加がより大きかった被験者,ベースライン時(導入療法開始時)のウイルス量が多かった被験者,ウイルスクリアランス速度がより遅い被験者は,ウイルス抑制消失のリスクが高かった.ベースライン時の HIV RNA のジドブジン耐性変異の存在は,ジドブジンとラミブジンを投与した被験者におけるウイルス抑制の消失を強く予測した.

結 論

インジナビル,ラミブジン,ジドブジンによる 6 ヵ月間の治療後の血漿中 HIV RNA の抑制は,この 3 剤を継続したほうが,インジナビルのみ、またはジドブジンとラミブジンで維持療法を行うよりも持続する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1261 - 8. )