November 19, 1998 Vol. 339 No. 21
慢性 C 型肝炎の初期治療としてのインターフェロン α-2b 単独とリバビリンとの併用の比較
INTERFERON ALFA-2b ALONE OR IN COMBINATION WITH RIBAVIRIN AS INITIAL TREATMENT FOR CHRONIC HEPATITIS C
J.G. MCHUTCHISON AND OTHERS
インターフェロン療法に対して持続的なウイルス学的有効を示すのは,慢性 C 型肝炎患者の 15~20%にすぎない.われわれは,慢性 C 型肝炎の初期治療としての,組換え型インターフェロン α-2b 単独とリバビリン併用時の場合の,有効性と安全性を比較した.
慢性 C 型肝炎患者 912 人を無作為割付けして,標準用量のインターフェロン α-2b の単独投与またはリバビリン(体重に応じて 1,000 mg/日または 1,200 mg/日を経口投与)との併用投与を 24 週間または 48 週間行った.有効性は,C 型肝炎ウイルス(HCV)RNA 血清濃度およびアミノトランスフェラーゼ血清濃度の測定と,肝生検によって評価した.
持続的ウイルス学的有効率(治療終了後 24 週での検出不可能な HCV RNA 血清レベルとして定義する)は,併用治療を 24 週間(患者 228 人中 70 人,31%),または 48 週間行った患者群(228 人中 87 人,38%)では,インターフェロン単独投与を 24 週間(231 人中 13 人,6%)または 48 週間(225 人中 29 人,13%)を行った患者より高かった(併用治療の 24 週と 48 週をインターフェロン単独投与と比較して p<0.001).HCV 遺伝子型 1 型感染症の患者では,インターフェロンとリバビリンで 48 週間治療した患者に最大の有効性を認めた.併用治療で 24 週間(57%)または 48 週間(61%)治療した患者では,インターフェロン単独投与で 24 週間(44%)または 48 週間(41%)治療した患者より一般的に組織学的改善を認めた.併用療法で治療した患者では,薬物用量の減少および治療中断を必要とすることがより多かった.
慢性 C 型肝炎患者では,インターフェロンおよびリバビリンによる初回療法は,インターフェロン単独による治療より有効であった.