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December 31, 1998 Vol. 339 No. 27

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優れた指導医のロールモデルの特性
ATTRIBUTES OF EXCELLENT ATTENDING-PHYSICIAN ROLE MODELS

S.M. WRIGHT, D.E. KERN, K. KOLODNER, D.M. HOWARD, AND F.L. BRANCATI

背景

医学教育において有効なロールモデルは重要であるが,優れた臨床ロールモデルの役割を果たす医師の特徴についてはほとんどわかっていない.そこでわれわれは,そのような医師を他の医師と区別する特性を明らかにするため,ケースコントロール研究を実施した.

方 法

四つの大学病院の内科病棟医に対し,優れたロールモデルであると思う医師の名をあげるように要請した.1 人以上の病棟医から名前のあがった医師 165 人を「優れたロールモデル」として分類した(この研究の「ケース医師」とした).これらの医師と,レジデントレベルの教育責任を有する医師で,名前の挙がっていない 246 人(コントロール)に質問票を送付した.これらの 411 人のうち, 341 人(83%)が,自分がケースかコントロールかは知らない状態で質問票に回答した.

結 果

回答した指導医 341 人のうち,144 人(42%)が「優れたロールモデル」とみなされていた.与えられた教育上の責任が大きいほど,「優れたロールモデル」とみなされることに強く関連した.多変量分析では,五つの属性が,「優れたロールモデル」として名前があげられることに独立して関連した:教育のために自身の時間の 25%以上を費やす(オッズ比,5.12;95%信頼区間,1.81~14.47),指導医として勤務するさい教育および実地指導に週 25 時間以上費やす(オッズ比,2.48;95%信頼区間,1.15~5.37),教育において医師–患者関係の重要性を強調する(オッズ比,2.58;95%信頼区間,1.03~6.43),医学の心理社会的局面を教える(オッズ比,2.31;95%信頼区間,1.23~4.35),およびチーフレジデントとして勤務する(オッズ比,2.07;95%信頼区間,1.07~3.98).

結 論

これらのデータは,優れたロールモデルであることに伴う特性の多くが,獲得可能なスキルと,柔軟な態度に関連していることを示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1986 - 93. )