September 17, 1998 Vol. 339 No. 12
銃器類を規制する新政策に対する支持 ― 二つの全米調査の結果
SUPPORT FOR NEW POLICIES TO REGULATE FIREARMS — RESULTS OF TWO NATIONAL SURVEYS
S.P. TERET AND OTHERS
米国では,銃器類の規制に関する議論の中で新しい政策オプションがもち上がっている.これらのオプションには,銃器類の一般消費財としての取り扱い,安全性のための規制が施された銃器類の設計;軽犯罪者からの銃所有権の剥奪;および銃の密売抑止戦略などが含まれている.これらの革新的な銃政策のオプションに対する世論は,十分には評価されていない.
米国で 1996 年と 1997~98 年に,1,200 人の成人を対象にした 2 回の電話調査を実施した.調査票の開発にあたっては,面接調査と試験的調査を実施した.乱数を並べた電話番号をダイアルして,調査に参加してもらえるかどうかの連絡をとった.
回答者の大半が,新製品の拳銃やピストルなどに安全性規準を設けることに賛成していた.これらの規準には,子どもが扱えない(回答者の 88%が賛成),個人化(許可を得ている人しか発砲できないようにする装置;71%),弾倉の安全性(弾倉やクリップを抜き取ったあとの発砲を防止する装置;82%),および弾丸が入っている弾倉の指示器(拳銃やピストルに弾丸が詰められていないかどうかを示す装置;73%)などが含まれていた.特定の軽犯罪者に銃器類の購入を禁止する政策に対しては強い支持があり,暴力や銃器類の違法使用(83~95%)や,薬物乱用(71~92%)などの犯罪に関して,支持がもっとも強かった.また,改造できないようなシリアル番号の刻印の義務化(90%),1 人の人間が 1 ヵ月間に購入できる銃を 1 丁とする制限の設定(81%),拳銃やピストルの強制登録制の導入(82%)というような,銃の密売を減少させるための政策にも広い支持があった.銃を保有している回答者集団においてさえも,今回の世論調査で取り上げた 22 件の提案の中の 20 件に関しては,より厳しい銃規制の提案内容に過半数以上の人々が賛成していた.
一般大衆からの,しかも銃所有者さえからも得られた銃器類規制のための革新的戦略に対する強い支持は,ここで調査したこれらの提案が政策作成者によって慎重に検討されるべきことの十分な根拠を示すものである.