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September 24, 1998 Vol. 339 No. 13

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髄膜炎菌のクロラムフェニコールに対する高度耐性
HIGH-LEVEL CHLORAMPHENICOL RESISTANCE IN NEISSERIA MENINGITIDIS

M. GALIMAND, G. GERBAUD, M. GUIBOURDENCHE, J.-Y. RIOU, AND P. COURVALIN

背景

Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)は,ペニシリン,セファロスポリン,およびクロラムフェニコールに対してほとんどが感受性である.しかしながら,1987~96 年に,クロラムフェニコール耐性株が,ベトナムの 11 例の患者とフランスの 1 例の患者から分離された.

方 法

この 12 株の臨床分離株におけるクロラムフェニコールの最小発育阻止濃度を測定した.臨床分離株の分析は,モノクローナル抗体による血清型同定試験およびサブタイプ分類,パルスフィールドゲル電気泳動,および異なる遺伝子座の複数の酵素を使用したマルチローカス酵素電気泳動を用いて行った.細菌の DNA 解析は,耐性遺伝子の同定とその耐性の起源を調べるために,ハイブリダイゼーション,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR 法),および塩基配列決定法を用いて行った.

結 果

これらの臨床分離株はクロラムフェニコールに耐性で(最小発育阻止濃度,≧64 mg/L),活性型のクロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼを産生していた.血清型は 12 株のすべてが B 型であったが,多様性が大きく,モノクローナル抗体を用いた方法では分類することができなかった.耐性遺伝子のヌクレオチド配列とその両端に位置している領域は,Clostridium perfringenscatP 遺伝子を運ぶトランスポゾン Tn4451 の内側の部分と同一であった.しかも,この遺伝子は,クロラムフェニコール耐性分離株のそれぞれのゲノムの同じ部位に位置していた.

結 論

クロラムフェニコールの筋肉内注射は,発展途上国における髄膜炎菌性髄膜炎の標準療法であるので,われわれがここで述べた N. meningitidis の分離株のクロラムフェニコールに対する高度耐性は,重大な問題である.クロラムフェニコールに対する耐性化は,内部欠損のために複写能を喪失してしまった両端の欠けたトランスポゾン上に catP 遺伝子が存在することによるものであり,おそらく,N. meningitidis の菌株間にみられた遺伝物質の形質転換が,この遺伝子の流布に重要な役割を演じたのであろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 868 - 74. )