October 1, 1998 Vol. 339 No. 14
重度骨形成不全症の子供におけるパミドロネートの周期的投与
CYCLIC ADMINISTRATION OF PAMIDRONATE IN CHILDREN WITH SEVERE OSTEOGENESIS IMPERFECTA
F.H. GLORIEUX AND OTHERS
重度骨形成不全症は,骨量減少,頻回骨折,進行性奇形,可動性の欠如および慢性骨痛を特徴とする疾患である.この疾患に対して有効な治療はない.われわれは,骨吸収に及ぼすビスホスホネートによる治療の効果を評価した.
3~16 歳の重度骨形成不全症の子供 30 人に関する非対照観察試験において,われわれは,パミドロネート(平均±[SD] 用量,1 年あたり 6.8±1.1 mg/kg 体重)を 4~6 ヵ月間隔で 1.3~5.0 年間静脈内投与した.臨床状態,骨代謝回転を反映する生化学的特徴,腰椎の骨塩量,そして X 線撮影上での変化を治療のあいだ定期的に評価した.
パミドロネートの投与により,血清アルカリホスファターゼ濃度,尿中カルシウム排泄量,尿中 I 型コラーゲン N-テロペプチド排泄量は,持続的に減少した.骨塩量の平均年間増加は 41.9±29.0%で,骨塩量の正常からの偏位は,Z スコアによって示されるように,-5.3±1.2 から-3.4±1.5 に改善した.中手骨の皮質幅は 1 年あたり 27.0±20.2%増加した.椎体の大きさの増加は新しい骨が形成されたことを示唆した.X 線撮影により確認した骨折の平均発生率は 1 年あたり 1.7%減少した(p < 0.001).パミドロネートによる治療は,骨折の治癒,成長速度,または成長板の外観を変化させなかった.可動性および外来通院の状態は子供 16 人において改善し,その他の 14 人では不変であった.子供全員が慢性疼痛および疲労の実質的な軽減を報告した.
重度骨形成不全症の子供では,パミドロネートの定期的な静脈内投与により,臨床転帰が改善し,骨吸収が減少し,骨密度が増加した.