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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 16, 2009
Vol. 360 No. 16

ORIGINAL ARTICLE

  • 胎児期に抗てんかん薬に曝露された 3 歳児の認知機能
    Cognitive Function at 3 Years of Age after Fetal Exposure to Antiepileptic Drugs

    このコホート研究では,胎児期にバルプロ酸単剤療法に曝露された児では,ほかの一般的な抗てんかん薬の単剤療法に曝露された児に比べ,3 歳の時点での IQ スコアが有意に低かった.この結果は,妊娠の可能性がある女性に対しては,バルプロ酸を第一選択薬として使用すべきでないという勧告を支持するものである.

  • 心房細動の再発予防を目的としたバルサルタン
    Valsartan for Prevention of Recurrent Atrial Fibrillation

    無作為化試験において,心房細動の既往を有する患者 1,442 例を,アンジオテンシン II 受容体拮抗薬であるバルサルタンを投与する群と,プラセボを投与する群に割り付けた.抗不整脈薬は治療担当医師が選択し,投与された.1 年の時点で,心房細動の初回再発率にも複数回の再発率にも,両群間で差は認められなかった.

  • 黒人の血友病患者における第 VIII 因子インヒビター
    Inhibitors of Factor VIII in Black Patients with Hemophilia

    黒人の血友病患者では,白人患者に比べ,第 VIII 因子補充療法により抗体が形成される可能性が高い.この論文では,この現象の機序が,患者の地理的起源によって異なる第 VIII 因子蛋白の分布に基づくことが示唆されている.補充療法に用いられる第 VIII 因子には黒人患者では認められない変異体が含まれているため,黒人患者ではこの変異体に対する抗体が産生される可能性が高い.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国の病院における電子カルテ
    Electronic Health Records in U.S. Hospitals

    この全米調査では,全診療部門に総合的な電子カルテシステムを導入している病院は,国内で 2%未満であることが示された.基本的な電子カルテシステムを少なくとも 1 つの診療部門で導入している病院でさえ,12%に満たなかった.医師がコンピュータ上で投薬を指示するシステムは,16%の病院で導入されていた.電子カルテ導入の主な障壁は,初期投資の必要性と,維持費の高さであることが報告された.

CLINICAL PRACTICE

  • 奇胎妊娠
    Molar Pregnancy

    37 歳の健常女性が,妊娠 10 週目に性器出血がみられたため受診した.血清中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)値は 22,000 mIU/mL である.超音波検査では胎児心拍が確認できない.女性は子宮内容除去術を受け,病理学検査で全奇胎であることが示唆された.この症例をどのように管理すべきであろうか?

MECHANISMS OF DISEASE

  • 1A 型糖尿病の遺伝学
    Genetics of Type 1A Diabetes

    1 型糖尿病の原因となる遺伝的要因は,30 年以上にわたり研究されてきたが,最近になってようやく,最新の遺伝学的手法によりこれまで寄与度が低いと考えられていた因子の重要性が認識されるようになった.この論文では,1 型糖尿病の遺伝学的知見における最近の進歩を概説し,どうすればそれらを臨床応用し成果が得られるかを示している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 片頭痛,失語症,不全片麻痺を呈する男性と同様の症状がみられる家族
    A Man with Migraine, Aphasia, and Hemiparesis and Similarly Affected Family Members

    46 歳の男性が,片頭痛と,4 年前から続く神経学的事象が原因の失語症と不全片麻痺のため当院を受診した.家族歴として,2 人の兄弟に同様の症状があった.神経画像検査で白質と深部灰白質の異常が認められた.診断検査が行われた.