The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 30, 2009
Vol. 360 No. 18

ORIGINAL ARTICLE

  • CD4+細胞数と HIV に対する抗レトロウイルス療法
    CD4+ Count and Antiretroviral Therapy for HIV

    無症状の HIV 感染者に対する抗レトロウイルス療法の最適な開始時期は明らかにされていない.1996~2005 年に北米で治療を受けた患者を対象としたこの後ろ向き研究では,患者の CD4+細胞数を 351~500 個/mm3 と 501 個/mm3 以上に層別化して検討した.これら 2 つの閾値を下回るまで治療を見合わせた場合,死亡の相対ハザードはそれぞれ 1.69 と 1.94 であった.

  • 慢性 HCV 感染に対するペグインターフェロンとリバビリンに併用するテラプレビル
    Telaprevir with Peginterferon and Ribavirin for Chronic HCV Infection

    C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型 1 型の慢性感染患者を対象としたこの無作為化対照試験では,ペグインターフェロンとリバビリンを用いた治療に HCV 特異的プロテアーゼ阻害薬であるテラプレビルを加えることで,持続陰性化率が改善した.テラプレビルを投与した患者では,ペグインターフェロンとリバビリンのみを投与した患者に比べ,有害事象のために投与を中止する頻度が高かった.中止の原因としてもっとも多かったのは,重度の発疹であった.

  • 慢性 HCV 感染に対するリバビリン併用・非併用下でのテラプレビルとペグインターフェロンの投与
    Telaprevir and Peginterferon with or without Ribavirin for Chronic HCV Infection

    C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型 1 型の感染患者を対象としたこの第 2 相試験では,HCV セリンプロテアーゼの特異的阻害薬であるテラプレビルを含む 3 つのレジメンを検討した.レジメンの 1 つ(テラプレビルを 12 週間,ペグインターフェロンとリバビリンを 24 週間投与)では,対照レジメン(ペグインターフェロンとリバビリンを 48 週間投与)と比べて持続陰性化率が高かった.テラプレビル投与患者の一部で重度の発疹が生じた.

  • 静脈血栓塞栓症予防におけるロスバスタチン
    Rosuvastatin to Prevent Venous Thromboembolism

    JUPITER 試験のデータに関する二次解析で,ロスバスタチン群では,プラセボ群に比べて症候性静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症と肺塞栓症を含む)のリスクが低下することが示された.

CLINICAL PRACTICE

  • 妊娠女性の喘息
    Asthma in Pregnancy

    23 歳の非喫煙の妊娠女性(初回妊娠)が,8 年前に発症した喘息がこの 1 年で悪化したため,妊娠 11 週で受診した.女性は,アルブテロール(サルブタモール)を 1 日に 2,3 回服用しなければならず,また,睡眠が妨げられると訴えている.1 秒量は予測値の 75%で,アルブテロールの服用後は 88%に増加する.この症例をどのように管理すべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • アスペルギルス症
    Aspergillosis

    この総説は,真菌感染の診断法と,アスペルギルス種を対象とする抗真菌治療における重要な進歩について論じている.アスペルギルス種に対する宿主防御と,アスペルギルス関連疾患の免疫病原性に関する最近の洞察が紹介されている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 胸痛,嚥下障害,胸膜・縦隔の石灰化を呈する男性
    A Man with Chest Pain, Dysphagia, and Pleural and Mediastinal Calcifications

    36 歳の男性が,胸痛,嚥下障害,胸膜・縦隔の石灰化のため入院した.男性は,スポーツ外傷後間欠的な胸痛が 6 年間続き,この 2 年間で嚥下障害,呼吸困難,体重減少がみられるようになった.画像検査で,胸膜・縦隔の石灰化と食道狭窄が認められた.食道狭窄を軽減し,診断のための組織を採取するために手術が行われたが,症状は再発した.生検標本から,悪性細胞のない骨様組織が明らかになった.

CLINICAL DECISIONS

  • 偶然発見された HCV 感染の管理法
    Management of Incidental HCV Infection

    この双方向の特集記事では,HCV 感染が偶然発見された 25 歳の女性の症例を紹介する.ここでは,3 つの治療選択肢を紹介している.これらはいずれも正しいと考えられる.あなたならどの選択肢を推奨しますか? NEJM.org でそのうちの 1 つに投票することができ,ご自分の治療意思決定に関するコメントを投稿することもできます.投票結果および寄せられたさまざまなコメントはウェブサイトに掲載されます.