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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 21, 2019
Vol. 380 No. 8
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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癌における血栓予防のためのアピキサバン
Apixaban for Thromboprophylaxis in Cancer癌治療を受けている静脈血栓塞栓症リスクが中~高の患者が,6 ヵ月間アピキサバンを投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた.静脈血栓塞栓症は,アピキサバン投与を受けた患者の 4.2%とプラセボ投与を受けた患者の 10.2%で報告された.重大な出血はアピキサバン群の 3.5%とプラセボ群の 1.8%で発生した.
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高リスクの癌患者における血栓予防
Thromboprophylaxis in High-Risk Patients with Cancerプラセボ対照試験で,血栓症リスクの高い癌患者の静脈血栓症を予防するためのリバーロキサバンの有効性が評価された.血栓症の発生率はリバーロキサバンのほうが低かったが,180 日間の評価期間では差は有意ではなかった.出血の頻度はリバーロキサバン群で約 2 倍であった.
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複雑性尿路感染症に対するプラゾマイシン
Plazomicin for Complicated UTIs薬剤耐性グラム陰性病原菌に対する治療選択肢は限られている.プラゾマイシンは,アミノグリコシド修飾酵素に耐性を有するアミノグリコシド系抗菌薬である.複雑性尿路感染症患者 609 例を対象とした試験で,プラゾマイシンはメロペネムに対して非劣性を示した.
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乳癌に対するサシツズマブ ゴビテカン-hziy
Sacituzumab Govitecan-hziy in Breast Cancerトリプルネガティブ乳癌に焦点を合わせたバスケット試験の延長相で,抗体薬物複合体であるサシツズマブ ゴビテカン-hziy の投与を受けた患者における奏効割合は 33.3%で,奏効期間の中央値は 7.7 ヵ月であった.骨髄毒性と下痢が主な有害反応であった.
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アテローム性動脈硬化イベントに対するメトトレキサート
Methotrexate for Atherosclerotic Events冠動脈疾患を有する患者がメトトレキサート(週 15~20 mg)またはプラセボに無作為に割り付けられた.中央値で 2.3 年の時点で,心筋梗塞,脳卒中,心血管死の発生率に 2 群間で差は認められなかった.
REVIEW ARTICLE
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重度外傷患者の初期診療
Initial Care of the Severely Injured Patient外傷診療は,最初に戦場で行われた介入により改善している.最近の進歩として,止血帯の使用,低血圧の容認,トラネキサム酸,高速大量輸血,迅速簡易超音波検査(FAST),蘇生的大動脈血管内バルーン遮断術などがある.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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悪心,嘔吐,下痢を呈した女性
A Woman with Nausea, Vomiting, and Diarrhea29 歳の女性が,悪心,嘔吐,下痢のため,当院附属のプライマリケアクリニックで評価を受けた.患者は非処方オキシコドンの使用歴を報告し,ナルトレキソン注射を希望した.診断と管理に関する意思決定がなされた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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原発性甲状腺機能低下症による下垂体過形成
Pituitary Hyperplasia from Primary Hypothyroidism10 歳の女児が,頭痛と発育不良で受診した.臨床検査では原発性甲状腺機能低下症が示され,MRI で下垂体腫大が認められた.
PERSPECTIVE
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構造的医原病
Structural Iatrogenesis重症の関節リウマチを有し,職務を遂行するには疼痛管理が必要な工場労働者が,新たなオピオイド処方制限政策に巻き込まれたとき,ついには友人からオキシコドンを購入するようになった.
NEJM QUICK TAKE
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癌における血栓塞栓症のリスクを低下させる
Reducing the Risk of Thromboembolism in Cancer化学療法を受ける患者の静脈血栓塞栓症のリスクは経静脈的血栓予防によって低下する可能性があるが,絶対リスク低下はわずかであり,重大な出血のリスクがあり,費用は高く,毎日の注射を必要とする.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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構造的医原病に立ち向かう
Confronting Structural IatrogenesisScott Stonington が,患者に組織的に害を及ぼす可能性のある,医療内部の構造について論じている.