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June 25, 1998 Vol. 338 No. 26

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急性反復性発作に対する直腸ジアゼパムゲルとプラセボとの比較
A COMPARISON OF RECTAL DIAZEPAM GEL AND PLACEBO FOR ACUTE REPETITIVE SEIZURES

F.E. DREIFUSS AND OTHERS

背景

急性反復性発作は,発作の頻度の増加を伴う容易に認識可能な症状である.しばしば緊急の処置が必要となる.直腸ジアゼパムゲルは有望な療法である.

方 法

われわれは,急性反復性発作の在宅治療に関する無作為二重盲検平行群プラセボ対照試験を実施した.患者を無作為割付けして,年齢に基づき 0.2~0.5 mg/kg 体重の用量の直腸ジアゼパムゲル,またはプラセボのいずれかを投与した.子供には,急性反復性発作の発生時に 1 回投与し,4 時間後に 2 回目を投与した.成人には 3 回投与した ― 1 回目は発症時,さらに発症後 4 時間目および 12 時間目の 2 回投与した.治療は,特殊な訓練を受けた親などの介護者が行った.初回投与後の発作の回数を子供では 12 時間,成人では 24 時間数えた.

結 果

急性反復性発作の既往を有する被験患者 125 人(64 人をジアゼパム,61 人をプラセボに割付)中,91 人(子供 47 人および成人 44 人)に対して試験期間中の発作の悪化のために治療を行った.ジアゼパム治療は,有効性:発作回数の減少(p<0.001)および介護者による治療転帰の総合評価の改善(発作および薬物毒性の発生頻度および重症度)(p<0.001)に関連する転帰変数に関してプラセボより優れていた.ポストホック分析により,ジアゼパムは,子供(p<0.001)と成人(p=0.02)の双方において発作の頻度を減少させる点でプラセボより優れていることを示したが,総合転帰の改善に関しては子供に限って優れていた(p<0.001).初回投与後の発作再発までの時間は,ジアゼパム投与患者ではより長かった(p<0.001).患者の 35 人が投与後の副作用を少なくとも一つ報告した;傾眠がもっとも多かった.呼吸抑制は報告されなかった.

結 論

訓練された介護者によって直腸ジアゼパムゲルを自宅で投与することは,急性反復性発作に対する有効かつ耐用性の良好な治療である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1869 - 75. )