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June 25, 1998 Vol. 338 No. 26

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妊娠中のミソプロストールの使用と乳児におけるメビウス症候群
USE OF MISOPROSTOL DURING PREGNANCY AND MÖBIUS' SYNDROME IN INFANTS

A.L. PASTUSZAK AND OTHERS

背景

上部消化管潰瘍患者はミソプロストールで治療することがあるが,ミソプロストールは子宮収縮を促進し,性器出血,流産を引き起こす可能性があるため,妊娠女性には推奨されていない.ミソプロストールを堕胎薬として経口,および経腟的に使用しているブラジルの最近のデータは,中絶を試みて成功しなかった女性におけるミソプロストールの使用と,その乳児におけるメビウス症候群(先天性顔面麻痺)との関連を示唆している.

方 法

ブラジルにおいて,メビウス症候群と診断された乳児の母親と,神経管閉鎖障害の乳児の母親とで,妊娠初期でのミソプロストールの使用回数を比較した.乳児の診断はすべて,1990 年 1 月 16 日~1996 年 5 月 31 日のあいだに,7 ヵ所の病院の臨床遺伝学者によってなされ,臨床遺伝学者は母親と面談し,ミソプロストールの投与に関する情報を記録した.

結 果

メビウス症候群の乳児 96 例を同定し,神経管閉鎖障害の乳児 96 例とマッチさせた.メビウス症候群の診断時の平均年齢は 16 ヵ月(範囲,0.5~78 ヵ月)で,神経管閉鎖障害の診断は,ほとんどが生後 1 週間以内になされていた.妊娠初期にミソプロストールを使用していたのは,メビウス症候群の乳児 96 例の母親のうち 47 人(49%)であったのに対し,神経管閉鎖障害の乳児の母親では 96 人中 3 人(3%)であった(オッズ比,29.7;95%信頼区間,11.6~76.0).ミソプロストールを使用していたメビウス症候群の乳児の母親 47 人のうち,20 人は経口のみで使用し(オッズ比,38.8;95%信頼区間,9.5~159.4),20 人は経口および経腟的に使用し,3 人は経腟的に使用し,4 人は使用方法を報告しなかった.

結 論

ミソプロストールによる中絶の試みは,乳児におけるメビウス症候群のリスクの増加に関連する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1881 - 5. )