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June 25, 1998 Vol. 338 No. 26

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医学技法の過度の使用および過小使用を特定する方法の再現性
THE REPRODUCIBILITY OF A METHOD TO IDENTIFY THE OVERUSE AND UNDERUSE OF MEDICAL PROCEDURES

P.G. SHEKELLE AND OTHERS

背景

医学技法の過度の使用および過小使用を評価するために,さまざまな方法が開発されているが,その再現性は評価されていない.本研究は,一般的に用いられているある方法の再現性を推定する.

方 法

われわれは,カリフォルニア大学ロサンゼルス校妥当性評価法である,RAND の平行三元配置反復を二つの医学技法-冠動脈血管再生術と子宮摘出術に当てはめて実施した.関連する専門学会によって指名された専門家のリストからの層化無作為サンプリングによって,9 人から成る総合的な領域の専門委員会を,各技法について三つ構成した.各委員会は,同じ一連の臨床シナリオを,1~9 までの risk-benefit 尺度に基づいて,関連する技法の妥当性に関して独立に採点した.最終判定を用いて,各シナリオにおける技法を必要,または不要(過小使用を評価するため),および不適当または適当(過度の使用を評価するため)に分類した.再現性は,総合的な一致および kappa 統計値によって測定した.次に,これらの評点に由来する過小使用と過度の使用の基準を,冠動脈血管再生術または子宮摘出術を受けた実際の患者集団に当てはめた.

結 果

三つの冠動脈血管再生術委員会の一致率は,不適切な使用のシナリオに関して 95,94 および 96%,必要な使用シナリオに関して 93,92,および 92%であった.三つの子宮切除術委員会の一致率は,不適切な使用シナリオに関して,88,70,および 74%であった.子宮切除術の必要な使用に関するシナリオは評価しなかった.過度の使用を検出するための三元配置 kappa 統計値は,冠動脈血管再生術に関して 0.52,子宮摘出術に関して 0.51 であった.冠動脈血管再生術の過小使用を検出するための三元配置 kappa 統計値は 0.83 であった.個々の委員会の基準を患者の実際の集団に適用すると,不適当と分類された症例の比率に 100%の変動が生じ,必要と分類された症例の比率では 20%の変動を生じた.

結 論

妥当性評価法は完全にはほど遠い.妥当性基準は集団における適切な技法のレベルの比較には有用であるかも知れないが,そのものを用いて個々の患者を直接治療してはならない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1888 - 95. )