February 12, 1998 Vol. 338 No. 7
若年女性における子宮頸部パピローマウイルス感染の自然経過
NATURAL HISTORY OF CERVICOVAGINAL PAPILLOMAVIRUS INFECTION IN YOUNG WOMEN
G.Y.F. HO, R. BIERMAN, L. BEARDSLEY, C.J. CHANG, AND R.D. BURK
性器ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は,性的に活発な若年女性に非常に多い.しかし,HPV 感染の正確な危険因子およびその発生率ならびに期間は,あまりわかっていない.
女子大生 608 人を 6 ヵ月ごとに 3 年間追跡した.各診察時に,生活様式および性行動に関する情報を収集し,子宮頸部洗浄サンプルを得て,ポリメラーゼ連鎖反応およびサザンブロットハイブリダイゼーションによって HPV DNA の検出を行った.パパニコロウ標本は年 1 回得た.
HPV 感染の 36 ヵ月累積発生率は 43%(95%信頼区間,36~49%)であった.HPV 感染の高いリスクは,年齢がより低いこと,ヒスパニック系,黒人,腟性交相手が多いこと,腟性交およびアルコール摂取の頻度が高いこと,肛門性交,決まった性交相手にある特徴があること(生涯の性交相手が多く,現在学校に行っていない)に有意に関連した.新規感染の期間の中央値は 8 ヵ月(95%信頼区間,7~10 ヵ月)であった.6 ヵ月を超える HPV 感染の持続は,年齢がより高いこと,子宮頸癌に関連する HPV 型,複数の HPV 型への感染と関連したが,喫煙とは関連しなかった.パパニコロウ標本異常のリスクは,HPV 持続感染,とくに,高リスク型 HPV への持続感染により上昇した(相対リスク,37.2;95%信頼区間,14.6~94.8).
性的に活発な若い女子大生における HPV 感染の発生率は高い.これらの女性における HPV 感染の大部分は持続期間が短く,関連する子宮頸部異形成は保存的に管理すべきであることを示唆している.