The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 15, 1998 Vol. 339 No. 16

小児における牛乳不耐性と慢性便秘
INTOLERANCE OF COW'S MILK AND CHRONIC CONSTIPATION IN CHILDREN

G. IACONO AND OTHERS

背景

 慢性下痢は小児における牛乳不耐性のもっとも一般的な胃腸管症状である.先のオープン試験に基づき,われわれは,牛乳の不耐性はまた,小児において排便時に痛みを伴う重度の肛門周囲病変を引き起こし,その結果便秘が起こりうるという仮説を立てた.

方 法

 慢性便秘(3 ~ 15 日に便通が 1 回と定義する)の小児 65 人(年齢範囲,11 ~ 72 ヵ月)において,牛乳を豆乳と比較する二重盲検交叉臨床試験を実施した.全員が小児胃腸専門病院に回付され,これまでに緩下剤で治療したが奏功しなかった; 49 人は裂肛および肛門周囲の紅斑または浮腫を示した.15 日間観察した後,患者に牛乳または豆乳を 2 週間与えた.1 週間の休薬期間の後,摂取物を逆にした.反応は,治療期間のさいに便通が 8 回以上あることとして定義した.

結 果

 小児 65 人中 44 人(68%)が豆乳を飲んでいる期間中に反応を示した.裂肛および排便時の痛みは寛解した.牛乳を飲んだ小児はいずれも反応を示さなかった.反応を示した小児 44 人では,牛乳を二重盲検的にチャレンジして反応を確認した.反応を示した小児は,鼻炎,皮膚炎,または気管支痙縮の併発率が,反応を示さない小児より高かった(小児 44 人中 11 人 対 21 人中 1 人,p = 0.05); 彼らはまた,ベースラインで裂肛および紅斑または浮腫を有することが多く(44 人中 40 人 対 21 人中 9 人,p < 0.001),生検時に直腸粘膜の炎症徴候(44 人中 26 人 対 21 人中 5 人,p = 0.008),そして牛乳抗原に対する特異的 IgE 抗体のような過敏症徴候(44 人中 31 人 対 21 人中 4 人,p < 0.001)を示すことが多かった.

結 論

 小児では,慢性的な便秘が牛乳に対する不耐性の臨床症状となりうる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1100 - 4. )